〇「信じて見守ることが大切」
「信じて見守ることが大切」
そう頭ではわかっているのに、なかなかできない。そんな気持ちを抱えていませんか?
繊細な子どもを育てるママなら、特にそう感じることが多いかなと思うんですよね。
「このままで大丈夫かな?」
「失敗したらどうしよう」
「また傷ついたらどうしよう」
そんな不安がぐるぐると心の中を巡り、“信じる”ことを邪魔してしまうことがあります。
〇「信じる」って何を信じるの?
子どもに対して「信じる」という言葉をよく使いますが、実はその「信じる」という言葉の意味は、人によってさまざまなんです。
今、ここでは「自分で感じて、乗り越えていく「力」をさしますね。
HSCのお子さんって感じる力はとても強いです。
育てていて、本当によく気が付いているのがわかるんです。
そして気が付くからこその、不安や、怖さがあるんです。
感じたことをそのまま、言葉にして伝えてくるお子さんだと、ママはそのたびに不安になったり、
胸がギュッと締めつけられる思いになることがありますよね。
また、言葉ではなくても、癇癪や無言というかたちで表現されることもあります。
いずれも、ママに向けて感情をぶつけてくるような表現は、特に“どうにかしなきゃ”という気持ちを強くさせてしまうかもしれません。
信じたいのに、信じきれない
たとえば、こんなふうに思ったことはありませんか?
「私が何とかしてあげなきゃ、かわいそう」
「解決しないと、この子がもっと傷つくかも」
そんなふうに心がザワザワするとき、 実はそれは“ママ自身の過去の経験”が、心の奥で反応しているんですよね。
自分が子どもの頃、傷ついたこと。
誰にも分かってもらえなかった悔しさ、辛さ、悲しさ、みじめさ、切なさ。
そのときの「わたし」が、今、目の前の子どもの姿に重なって見えてしまうことがあるんですね。
それを、わが子に経験させたくない。
——だからこそ、“信じたいのに信じきれない”という気持ちが生まれてきます。
そして、気づけば「サポート」の枠を超えて、「解決」へと手を出したくなってしまう。
「子どもの悩みを解決するのがママの役目」——そう思っていると、なおさら苦しくなってしまいますよね。
乗り越える力がある
どんなふうに転んでも、子どもにはちゃんと 「立ち上がる力」 が備わってます。
ママが「信じて見守ろう」と決めたその瞬間から、子どもは少しずつ、自分の力で立ち上がり、乗り越えていくことを覚えていきます。
小さなあなたも、そうやってたくさんのネガティブな想いを感じながら、それでも前に進んできたから、今ここにいますよね。
悲しさ、悔しさ、寂しさ、やりきれなさ——
そういった感情を感じないまま、大人になる人なんていないんです。
ママがどれだけ守っても、子どもに必要な「感情の学び」は、ちゃんとやってくる。
避けても、避けても、また同じテーマが目の前に現れたりしませんか?
それなら、「感じること」「転ぶこと」さえも、信じて見守ってあげる。
ネガティブな感情も、ちゃんと味わって、そこから自分の力で立ち上がる経験をさせてあげる。
そして、そのプロセスに寄り添ってくれる人が——どんなときも味方でいてくれるママだったら、これほど心強いことはありません。
私がカウンセリングをしていて、いつも感じるのは、どんな方の話にも、最終的には「お母さんへの想い」が出てくるということ。
それくらい、ママの言動、ママの心の在り方は、お子さんの心にまっすぐ伝わっているんです。
子どもを信じるって、実は「自分を信じてあげること」でもあるんです。
どんなふうに転んでも、立ち上がれる——
それをママ自身が自分に感じられたとき、「この子もきっと大丈夫」って、自然に信じられるようになりますよ。